ここでは主に文書の構成やレイアウトに関する事柄を説明する.
クラスファイルは文章全体の書式を設定するマクロプログラムの一種であり,TeX文書の先頭に次のような形で指定する.
| テンプレート |
\documentclass[オプション]{クラスファイル}
|
|---|
実際にはpLaTeX2εに標準で付随するクラスファイルを利用し,改変すべき箇所のみを変更し使うことが多い.
| クラスファイル | 説明 |
|---|---|
| article | 本来は短い文書に適した小規模文書用であるが,比較的大規模な文書に使われることも多い. |
| jarticle | 日本語対応したarticleと同じ用途で使うクラスファイルである. |
| jsarticle | 日本語対応した新しいクラスファイルである.プレゼンテーション資料の作成などにも用いれる. |
| report | レポートなど中規模の文書用に使う. |
| jreport | 日本語対応したreportと同じ用途で使うクラスファイルである. |
| book | 本など大規模の文書用に使う. |
| jbook | 日本語対応したbookと同じ用途で使うクラスファイルである. |
| オプション | 説明 | 備考 |
|---|---|---|
| 10pt | 基本文字サイズを10ポイントにする. | 全てのクラスファイルの初期設定となっている. |
| 11pt | 基本文字サイズを11ポイントにする. | |
| 12pt | 基本文字サイズを12ポイントにする. | |
| a4paper | A4の用紙を使用する. | 全てのクラスファイルの初期設定となっている. |
| a5paper | A5の用紙を使用する. | |
| b4paper | B4の用紙を使用する. | |
| b5paper | B5の用紙を使用する. | |
| a4j | a4paperよりもテキスト領域を広くし,A4の用紙を使用する. | |
| a5j | a5paperよりもテキスト領域を広くし,A5の用紙を使用する. | |
| b4j | b4paperよりもテキスト領域を広くし,B4の用紙を使用する. | |
| b5j | b5paperよりもテキスト領域を広くし,B5の用紙を使用する. | |
| twoside | 両面印刷に適した出力を行う. | book・jbookクラスの初期設定となっている. |
文書の題名を設定する.
| テンプレート |
\title{題名}
|
|---|
文書を書いた著者を記入する.
| テンプレート |
\author{著者名}
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|---|
著者が複数名であるときは\andを著者名の間に挿入し,脚注は\thanksによって設定する.
| 例 |
\author{湯川秀樹\thanks{京都大} \and 朝永振一郎\thanks{東教大}}
|
|---|
目次の項目としたい位置に次のコマンドを記述する.
| テンプレート |
\date{日付}
|
|---|
このコマンドを省略するとドキュメントの作成日が自動的に設定される.また今日の日付を設定するのに\todayと入力してもよい.
| 例 |
\date{\today}
|
|---|
上で設定した題名・著者名・日付といった項目を表示する.
| テンプレート |
\maketitle |
|---|---|
| 例 |
\title{p\LaTeXe とTgif. GNU Plotでつくる \\ 理系ドキュメント作成マニュアル}
\author{海上 忍 \and 黒川 弘章}
\date{1998年10月30日}
\maketitle
|
文章の大まかな内容を伝えるために,しばしば概要やはしがきといったものを文章のはじめに記述する.その出力方法は文書クラスによって異なる.
articleやjarticleでは,maketitleの後にabstract環境を書くことで,概要という文字が自動的に挿入され場所が設けられる.
| テンプレート |
\maketaitle
\begin{abstract}
概要の内容
\end{abstract}
|
|---|
目次の項目としたい位置に次のコマンドを記述する.
| テンプレート |
\tableofcontents |
|---|
続けて2回ソースファイルをコンパイルする必要がある.
文章を構成する際に,章立てを行う.
最も大きな階層を表わす.日本語で言う部に対応する.
| テンプレート |
\part{テキスト}
|
|---|
partの下の階層を表わす.日本語で言う章に対応する.articleやjarticleでは使用できない.
| テンプレート |
\chapter{テキスト}
|
|---|
chapterの下の階層を表わす.日本語で言う節に対応する.
| テンプレート |
\section{テキスト}
|
|---|
sectionの下の階層を表わす.日本語で言う小節に対応する.
| テンプレート |
\subsection{テキスト}
|
|---|
subsectionの下の階層を表わす.
| テンプレート |
\subsubsection{テキスト}
|
|---|
subsubsectionの下の階層を表わす.
| テンプレート |
\paragraph{テキスト}
|
|---|
paragraphの下の階層を表わす.
| テンプレート |
\subparagraph{テキスト}
|
|---|
ソースファイルの引用部分・参考文献一覧部分にそれぞれ次のソースを記述する.
\cite{ラベル名}
\cite{unakami.2000}
\begin{thebibliography}{最大参考文献数}
\bibiem{ラベル名} 著者名 書籍タイトル名 出版社 発行年
\end{thebibliography}
\begin{thebibliography}{99}
\bibiem{unakami.2000}
海上 忍 and 黒川 弘章, これだけでできるLaTeX実践活用ガイド, 2000
\end{thebibliography}
BibTeXを用いれば,文献データベースから自動的に参考文献リストを作ることができる.
ソースファイルのプリアンブル部分・索引用語部分・索引一覧部分にそれぞれ次のソースを記述する.
\usepackage{makeidx}
\makeindex
\index{ @ }
\index{sakuin@索引}
\printindex
mendex
mendex file-01.idx
文章全体あるいは一部を2段組レイアウトに設定する.
文章全体を2段組レイアウトに設定する.
| テンプレート |
\documentclass[twocolumn]{}
文章
\end{center}
|
|---|---|
| 例 |
\documentclass[twocolumn]{jarticle}
|
文章全体が1段組に設定されている文章に対して,その1部分を2段組にする.
| テンプレート |
1段組の文章 \twocolumn 2段組の文章 \onecolumn 1段組の文章 |
|---|
中央揃えや左寄せ,右寄せといった表示位置の変更を行う.
文章を中央に揃える.
| テンプレート |
\begin{center}
文章
\end{center}
|
|---|---|
| 例 |
\begin{center}
center
\end{center}
|
| 出力 |
|
文章を左に揃える.
| テンプレート |
\begin{flushright}
文章
\end{flushright}
|
|---|---|
| 例 |
\begin{flushright}
flushright
\end{flushright}
|
| 出力 |
|
文章を右に揃える.
| テンプレート |
\begin{flushleft}
文章
\end{flushleft}
|
|---|---|
| 例 |
\begin{flushleft}
flushleft
\end{flushleft}
|
| 出力 |
|